うなぎができるまで

天保養魚場は、養鰻も自社で行っている数少ないうなぎ屋です。
これだけうなぎ屋が多い浜名湖エリアでも、養鰻を行っているうなぎ屋はたったの3件(天保調べ)。
その内の1件が、天保養魚場です。
シラスうなぎ(赤ちゃんうなぎ)から手塩にかけて育ててきた天保養魚場だからこそ提供できる美味しいうなぎを、
あなたやあなたの大切な方にお届けできればと思っています。
天保養魚場のうなぎができるまでを一部、ご紹介致します。

特別採補

静岡県では例年12月~4月に、うなぎ養殖に必要な稚魚「シラスうなぎ約0.2g/尾」の特別採補許可が出ます。
浜名湖や天竜川に遡上してくるシラスうなぎメッコ、メソ を、新月の大潮の日を中心に漁が行われます。

稚魚期

漁師さんが捕まえたシラスうなぎは、うなぎ組合に集荷され、決められた量になったら、順番に組合員へ配給されます。
配給されたシラスうなぎはそれぞれの養鰻場の、元池と呼ばれる稚魚専用池で飼育がスタートします。
うなぎ稚魚専用のペースト状の餌から与え始め、段々と人間に馴れさせます。
この時期は極細でもろいため、特に気を付けて飼育管理をします。

養中期

元池で一ヶ月ほど育てたシラスうなぎは体が黒色になり「クロコうなぎ」と呼ばれます。
クロコを取り上げて選別し、次の広い池に移します。これを 分養 と言い、うなぎ養殖の大切な作業です。
この時期には水質が変化しやすく特に寄生虫などに注意が必要です。朝と夕方の2回、うなぎ養殖専用に配合された餌を与え、毎日水の入れ替え(掃除)などをします。

養成期

クロコ分養から一ヶ月ほどで「ヨリシタ」と呼ばれるようになり、再度、次の池に分養します。
この池は出荷までの最終池となる為、飼育密度やうなぎの大きさを揃える事が重要です。
一部のうなぎは屋外の露地池で昔ながらの飼育方法でのびのび育てています。

出荷販売

池入れから、早ければ半年、概ね一年ほどで成鰻(ヨ太200g~)になり、うなぎ組合の残留薬検査を経て随時出荷します。
ヨ太の一部は天保直売店・お食事処にてご提供しております。

取り上げ方法は、ポンプで池の水とうなぎを一緒に吸い上げ選別池へ移送します。これを 池替と言います。
選別箱の中にスノコを付けうなぎを流します。
ヨ太はスノコの上を通り過ぎ出荷用のかごの中に収まります。

出荷サイズに満たない原料うなぎはスノコの下へ落ちて、再び池に戻されて大きくなるまで飼育されます。
ヨ太を入れたかごに氷を乗せて、トラックでうなぎ組合やうなぎ問屋さんまで運ばれます。
運ばれたうなぎは、人の手で一尾づつ「大ボク、中ボク、ヨ太」に選別され、20㎏ごとにかごに積まれ、綺麗な水で3~5日ほど 活シメ された後、全国へと発送されて行くのです。

動画で養鰻場の様子をご紹介しています。再生ボタンを押してご覧ください。